障害年金における診断書の種類と記入例(精神編)|社労士が解説

障害年金における診断書について解説いたします。

目次

障害年金の診断書について
障害年金における診断書の記入例について
よくある質問
まとめ

①障害年金の診断書について

(ア)診断書の重要性

障害年金の申請を行う際には、いくつかの必要書類を提出しなければなりません。

なかでも、医師が作成する診断書は受給を左右する重要な書類です。

「診断書の内容次第で受給できるかどうかが決まる」と言っても過言ではありません。

 (イ)診断書の種類

障害年金の診断書様式は、以下の8種類があります。

眼用(様式120号の1)

聴覚・鼻腔・平衡機能・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用(様式120号の2)

肢体用(様式120号の3)

精神用(様式120号の4)

呼吸器用(様式120号の5)

循環器用(様式120号6-1)

腎疾患・肝疾患・糖尿病用(様式120号の6-2)

血液・造血器・その他(様式120号の7)

 (ウ)診断書の選択

8種類ある診断書のどの診断書を使用するかについては、傷病名ではなく症状(=実際にどの部位や状態に不自由があるのか)で決まります。

この判断を間違ってしまうと、「障害等級の状態に該当しない」と判断され不支給となってしまう場合もあります。

障害の状態が一番的確に記載できる様式の診断書(場合によっては二種類以上)を提出した方が良い場合もあります。

現在日本年金機構のホームページから誰でも簡単に診断書をダウンロードすることが出来ます。

しかし適切な審査や等級判定が行われるためには、提出する診断書の選択は非常に重要だと言えるでしょう。

障害年金における診断書の記入例について

診断書はお医者様に記入いただくものです。

診断書は言うまでもなく医師に記入をいただくものです。しかし中には記載漏れがあり加筆をしていただくこともよくあります。

従って診断書が出来上がった際には必ず記載漏れがないかのチェックをした方が良いでしょう。

記載要綱

記入例は日本年金機構のホームページに記載要綱があります。

請求者が仕上がった診断書のチェックをする際に利用する場合や医師が障害年金の診断書は書いたことがないという場合には

この記載要綱を医師にお渡して書いてもらうことも出来ます。

精神の診断書について

①「障害の原因となった傷病名」

障害年金の支給を求める傷病名を記入します。該当するICD-10コードも必ず記入してください。

必ず正しいICD-10コードが記載されているか、もしくは記載漏れはないかチェックをしてください。

②「傷病の発生年月日」欄、③ 「①のため初めて医師の診察を受けた日」欄

①の傷病のために初めて医師の診療を受けた日を記入します。診療録で初診が確認できるときは、「診療録で確認」を○で囲んでください。確認できないときは、「本人の申立て」を○

で囲み、申立て年月日を記入してください。

受診状況等証明書や病歴・就労状況等申立書と整合性がとれているか確認して下さい。

④「既存障害」

初診より前に既に、有している障害がありましたら記入して下さい。精神疾患以外の障害であっても記載する必要があります。

⑤「既往歴」

請求傷病と因果関係がありそうな傷病がある場合のみ記入してください。

⑦ 「発病から現在までの病歴及び治療の経過、内容、就学・就労状況等、期間、そのほか参考となる事項」

陳述者氏名と続柄、聴取年月日の記載を確認し、③欄の日付前の受診歴が書かれていないかも確認してください。また特に知的障害や発達障害については、これまでの状態を参考としますので、本人や家族などの話をできるだけ詳しく記入してください。

⑧「診断書作成医療機関における初診時所見

診断書を作成してもらった医療機関の初めて受診した日と診療の所見を書く欄となります。

初診年月日も必ず記入します。

⑧のこの日付けと③の①のため初めて医師の診察を受けた日が同じ場合はその病気の治療を行なった病院が当病であることを意味しています。

仮に⑧のこの日付と③の①のため初めて医師の診察を受けた日付が異なる場合はその病気の治療を始めて行なった病院が

当病院以外にあるということになります。

参考ですがそのような場合は最初の病院では受診状況等証明書を取得する必要があります。

 ⑨これまでの発育・養育歴等

ア「発育・養育歴」

幼少の頃の虐待などの過去の経過を見るための欄となります。また、知的障害や発達障害に関して請求する場合にも参考とされます。

イ「教育歴」

どのような教育を受けてきたのか見るための欄となります。また、知的障害や発達障害に関して請求する場合にも参考とされます。

ウ「職歴」

職歴は簡単に記載していただいて問題ありません。ここは請求者の病気で仕事が出来るかの判断材料の一つになります。

エ「治療歴

治療歴を順に記載してください。枠に収まりきらない場合は、備考欄に記入して下さい。

また外来と入院は、同一医療機関であっても入院と外来は区別して別の行に記載をしてください。

初診日よりも前の治療歴が記載されていないかチェックしてください。

⑩障害の状態

これはいつの頃の状態の診断書か判断するために日付を記載します。

二十歳前傷病の場合は障害認定日前後三カ月内の日付であるかのチェックが必要です。

認定日請求の場合は障害認定日から1年以内の日付であるかのチェックが必要です。

事後重症請求の場合は請求日3か月以内の日付である必要があります。

診断書には「有効期限がある」とよく言われますが障害年金における診断書の有効期限はここにの欄の日付が各請求方法の期限を過ぎてしまった場合は有効期限切れと判断します。

よくある間違いですが有効期限は裏面一番下の日付と各請求方法の期限を比べて判断される方が非常に多いですのでお気を付けください。

ア「現在の病状又は状態像(該当のローマ数字、英数字を○で囲んでください)」

どのような病状・症状等があるかを記載欄です。請求者の症状の全てに〇がついているかチェックしてください。

イ左記の状態について、その程度・症状・処方薬等を具体的に記載して下さい

ア欄の程度、症状およびそれらの症状に伴う日常生活や労働に関する制限について具体的に記入してください。また、投薬治療を行っているときは、処方薬名や用量なども記入してください。在宅により常時援助を受けている場合は、療養状況を記載してください。

ウ1 家庭及び社会生活についての具体的な状況

ここは非常に重要な欄です。

ポイントとなるのは、「同居者の有無」です。

単身で生活している場合は、一人で問題なく生活できていると判断され、障害の程度も軽度にみられる可能性があります。

単身者の場合でも、ヘルパーさんや家族親族や友人などの支援者が頻繁に自宅を訪れて支援をしているのであれば、

その事を記載してもらうようにしましょう。

ウ2日常生活能力の判定(該当するものにチェックしてください)

この欄は精神の診断書の一番重要なところです。もし請求者自身で請求をされる場合は現在の生活の状態を書面にまとめた上で医師に渡し実態が反映された診断書の記載をしてもらうことをおすすめします。

ウ3日常生活能力の程度(該当するものひとつを○で囲んでください)

精神障害と知的障害の二つの枠があり、その中から一つを選んで記入していただくことになります。

エ現症時の就労状況

無職である場合は必ずこの欄のどこかに「無職」と書いてもらいましょう。

また、認定側は被保険者記録から就労の有無は把握できのですが、請求者が休職中どうかは把握できません。

その為、休職中の場合は給与や出勤日数のなどは記載せず、「休職中」とだけ書いてもらいましょう。

就労している場合で、就労状況をできるだけ詳細に医師に記入してもらうようにしましょう。

一般就労(最低賃金保証)又は、作業所などでのリハビリ就労なのか

障害者雇用か一般雇用または自営業か

労働の内容(単純な作業やコミニュケーションが必要のある仕事か否かなど)

職場からのサポートの様子

カ臨床検査(心理テスト(知的障害の場合には、知能指数、精神年齢)を含む)

知的障害や発達障害の場合は、知能指数および精神年齢を必ず記入してください。

また、認知障害の場合は、認知検査をされているときは、その結果を記入してくだ

さい。

キ福祉サービス利用状況

障害者自立支援法による障害福祉サービスなどを利用しているときは、その種類や

内容について記入してください。

⑪現症時の日常生活活動能力及び労働能力

障害の程度の認定にあたって重要な意味を持つので、現症時において日常生活がどのような状況であるのか、

またどの程度の労働ができるのか等を認定側がわかるようにしっかり記載してもらいます。

労働できない場合はできるだけ「就労不能」や「労働能力はない」と明確に書いてもらいましょう。

⑫予後

診断時に判断できない場合は、「不詳」と記入してください。

 

⑬備考

治療歴などで書ききれなかった場合にこの欄に記載します。

よくある質問

(ア)診断書に封がされていますが封を開けて診断書を見ても問題ないでしょうか?

診断書の封を開けても全く問題はありません。封をしたままだと診断書の記載漏れのチェックが出来ませんので

必ず開けて中を確認する必要があります。

(イ)医師が診断書を書いてくれません

これは以前お話をしたことがありますが医師が診断書を書かない理由は様々な要因があると思われます。

詳しくはこちらを参照ください。

④まとめ

8種類ある診断書の中からどの診断書を選択すればいいのか決めることは決して簡単ではありません。

また依頼した診断書のチェックをもれなく行なうことが果たしてできるのか?

恐らく個人で行なうのは難しいことだと思います。

当センターでは依頼人のお話を時間をかけて聞きどの型式の診断書が必要なのかすぐに判断できます。

もし診断書でどの診断書を使用すればいいのかわからないなどの場合は当センターまでご連絡ください。

当センターでもお電話、メール、Lineでご相談をお受けしております。

また面談も初回のご相談に関しては無料で対応させていただいております。

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●障害年金をもらうための必要書類は何か

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●まず何をするべきなのか・・・?

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