うつ病の方と電話面談を行ないました
先日、うつ病の方と電話での面談を行ないました。
今回のケースは初診日がはっきりしておりましたが年金の未納があるため受給は難しいのかというご相談でした。
まず障害年金を申請するためには納付要件というものがあります。
初診日のある月の前々月までの2/3以上の期間に保険料を納付していることが必要になります。
支払期間が2/3以上に満たない方は当然存在しますがそういったケースを救済する特例措置として、
初診日の属する前々月から遡ること直近1年の間年金を納めていれば、納付期間が全体の2/3以上に及ばなかったとしても、
障害年金の申請が可能となり、要件を満たしているということになります。
ただし、こちらは初診日の段階で65歳未満であることが条件なうえ、2026年までの特例として定められているものですので、注意が必要です。
今回面談をされた方は残念ながら全体の2/3要件も直近一年の要件もクリアしませんでした。
何か他に方法はないかとさらに詳しく伺いました。
すると5年近く通院が空いていた時期があることがわかりました。
そこで社会的治癒の適用が出来るのではないかと検討をすすめることにしました。
社会的治癒とは
医学的見地から見れば完治したとは言えなくても、けがや病気がある程度回復し治療を行う必要がなくなり無症状で投薬もなく就労などの社会復帰をした状態をいいます。
具体的には、前の傷病とは全く別の傷病として取り扱うことになるので初診日が変わってきます。
結果的に保険料納付要件を満たし請求が可能となったり、請求する制度(国民年金・厚生年金)が変わり、
受けられる給付が変わることにつながります。そのため、障害年金請求においてはとても重要な考え方です。
上記の通り、社会的治癒は前の病気と後の病気が医学的に同一である、または因果関係があるときにこそ適用を検討するものです。
医師が同じ病気と判断したとしても、障害年金上ではそう取り扱わないのが社会的治癒ということになります。
社会的治癒が成立するためには、以下の点に当てはまることが必要とされています。
1.症状が消滅して社会復帰(就労など)や通常の日常生活が可能となったこと
2.治療投薬を必要とせず、外見上治癒した期間が一定程度継続すること
ただし2については予防的・維持的・経過観察的な治療が継続していても成立を妨げないとしています。
社会的治癒は規定として定義されたものではなく、取扱いとして運用されているものです。
そのため、治癒した期間がどの程度を指すのかは明確に決められておらず、障害認定基準にも書いてありません。実際の認定においても事例ごとに検討されています。
病気によっても異なり、特に精神疾患では長く(5年程度)求められることが多い傾向にあります。
今回のケースでは5年程度診察が空いていたということでしたので具体的にどのくらい診察が空いていたのかご本人に病院に確認していただくことになりました。
本事例のように受給に向けて一つの方法がダメでも他の方法、可能性が見つかることがあります。
障害年金申請の壁にぶつかっている方は是非とも他の方法も含めて検討してみてください。
ご相談をいただきましたら私たちも全力でサポートさせていただきます。
まずは1分間受給判定!
東京障害年金サポートセンター 代表
社労士業務の中でも特に障害年金の申請、特に精神の病気に特化した申請に関し、力を入れてサポートを行っている。